夏は健康で明るい太陽を謳歌できる季節ですが、一方では1年で最も体力を消耗する時期でもあります。養生に気を付けないと病気にかかりやすく、健康を損なう季節でもあります。
東洋医学では夏の3カ月を蕃秀(ばんしゅう)といいます。蕃は茂ること、秀は美しいという意味です。
万物が成長・繁栄し、陽気が最高潮に達する時期といわれています。
今年は5月5日が立夏でした。
日中は汗ばむ日もありますが、まだ涼しい日があったりと夏のイメージではありませんが、夏の始まりです。
そこで夏の養生法を書いてみます。
東洋医学における「夏の養生法」
夏という季節の性質と人間の心身とを調和して生活することが大切です。
夏の養生法を守らないと、夏の気で成り立っている「心」を害して、秋になって体調が悪くなります。秋に起きる病気の下地は夏に出来るという事です。
◎「早起き」をしましょう
少しの夜更かしはO・K! でも朝は早く起きましょう。
夜は遅く寝てもよいが、朝は早く起きなければいけません。日が長いからといって、怠けていてはいけません。
日の出の早い夏は自然界と同様、私たちの体内時計も朝早くから活動を開始しているのです。
◎1日1回は発汗するようにしましょう
夏は陽気が強くなるため適度に陽気を発散させることが必要です。
適度に運動し、1日1回は汗をかくようにしましょう。
ただし、一番熱い時間は避けること、そして水分と塩分の補給はお忘れなく!
◎冷えに注意しましょう
暑さからついついクーラーや冷たい飲食物に手が伸びがちですが、体を冷やし過ぎると夏バテの原因になってしまいます。
冷えが気になる人は、冷え対策をしましょう。特に「首」「手首」「足首」の露出を抑えるといいでしょう。
また、シャワーだけで済ませるのではなく、しっかりと湯舟につかるようにすることも有効です。
◎常に愉快な気持ちを保ちましょう
怒ったり、くよくよしたりする陰気な心を持たないことをこころがけましょう。
夏は陽気の盛んな季節ですから身も心も浮き浮きと開放的である方がよいそうです。
常に愉快な気持ちを保ち、楽しく過ごしましょう。
◎夏の飲食物
さて、夏の養生法の食べ物ですが、立夏の頃は新茶を飲むのが良いとされています。新茶には生命力が多く宿っています。昔から「心」の臓を滋養するといわれ、精神安定や血圧の安定に効果があると言われています。
昼が一番長くなる夏至(2020年は6月21日)は陽が極まって陰に転ずるとき。その頃の食べ物は冬瓜(とうがん)です。
暑いからだを涼しくしてくれる食べ物です。
その他、赤い実の食べ物が良いと言われています。クコの実やトマトなども上手に取り入れてみてはどうでしょう!
◎熱をもって熱を制する
陰陽転化といって、極限に達すると反転して反対の性質になっていきます。
この性質を利用して熱をもって熱を制することができます。
暑い夏には熱いお茶はいかがでしょう。
熱いシャワーはいかがでしょうか。