◎病院の検査結果で異常なしといわれる「いわゆる腰痛症」
「いわゆる腰痛症」ですが、通常であれば何もしなくても時間とともに痛みが薄らいでいくことが多いようです。
ところが、なかなか「改善しない」「スッキリしない」慢性腰痛の方もいます。
そこで今回、「いわゆる腰痛症」を「自分で何とかする方法」を2つ紹介します。
1.腹筋を収縮することで腰の緊張を取る方法
まずは実際にやってみましょう
①椅子に浅く腰掛けて、かかとを少し引きます。
②つま先と膝が垂線で結ばれる位引きます。
③足は肩幅位に開いて、両つま先の真ん中あたりを膝の間から覗き込みます。
④少しお尻が浮くような感じになります。
⑤お臍の下あたりを思いきり引くような力を入れるとお尻が浮いてきます。
⑥このときお腹に力が入る筋肉が「外腹斜筋」です。
外腹斜筋は、骨盤の上を触って咳払いをしてみると、ピクンと動く筋肉です。
⑦上に立ち上がるというより前にでるというイメージで立ち上がります。
「はい、痛くなく立ち上がれましたか?」
⑧痛くなく立ち上がれるようでしたら、これを何回か繰り返します。
繰り返すことで、腰の痛みの具合が徐々に楽になっていきます。
注意事項
- 机に手をついたり、ひざに手をついて座ったりするのは背筋を反らせることを無意識に手助けすることになるので禁止です。
- 座位からの立ち上がり方のコツは足元から目を離さないこと
- 自分が思っているより後2cmおなかを凹ませること。
◎なぜ、これで「腰の痛み」が楽になるのか?
いわゆる腰痛症の原因は「不明」であることがほとんどです。
そんな中で、かなりの頻度で原因になっているのが、
「背筋の筋肉の緊張」です。
筋肉の緊張を抜けばいい
「背筋の筋肉の緊張」が原因だからといって、力を抜けば筋肉の緊張が抜けるのであれば誰も悩みません。
ではどうすれば腰の筋肉の緊張を抜くことができるのか?
一つの方法として、今回は
「相反神経支配」
という仕組みを利用して緊張を抜いたのです。
相反神経支配とは?
関節を動かす筋肉には、
「曲げる筋肉」と「伸ばす筋肉」の2つの拮抗している筋肉があります。
そして、それをコントロールする神経の仕組みを「相反神経支配」といいます。
「相反神経支配」とは「曲げる筋肉」が収縮するときには「伸ばす筋肉」を「緩ませる」ように命令をするようになっている仕組みのことです。
背筋の拮抗筋を利用する
腰の痛みが「背筋の筋肉の緊張」によって起こっている場合、痛みを止めるには背筋の緊張を抜く必要があります。
しかし、痛みのため無意識に力が入ってしまい力を意識的に抜くことができないのです。(防御収縮というやつです。)
これを、自分の意思でやめることは難しいのですが、「相反神経支配」の仕組みを使うことで、簡単な方法で背筋の緊張の力を抜くことができます。
つまり「背筋の拮抗筋」を利用することで、緊張しきっている背筋を脱力させようというわけです。
背筋の「拮抗筋」とはどこ?
では、背筋の拮抗筋はどこなのか?
背筋の反りを強くする筋肉が背中の筋肉ですが、逆に反りを少なくする筋肉が「拮抗筋」です。
背中の筋肉の拮抗筋は、
ずばり「腹筋」です
「なんだ、腹筋か」
そんな人もいるかもしれませんが、腹筋には4種類の筋肉があるのはご存知でしょうか?
「腹直筋」「外腹斜筋」「内腹斜筋」「腹横筋」
その中で特に意識してもらいたいのが、
「外腹斜筋」という筋肉です。
この「外腹斜筋」を上手く収縮させることが
腰の緊張を緩めるコツとなるのです。
2.ツボ押しで腰の痛みを取る方法
◎消痛ポイントを使って腰痛改善
今回はもう一つ自分で出来る痛みの改善法として、痛みの消えるツボ押し法を紹介します。
遠絡療法の消痛ポイント
痛みに応じた「消痛ポイント」へのツボ押しをすることで、痛みを改善させることができます。
痛みが生じている部位によって、選択するポイントも変わってきますので、
今回はよくある腰痛に対する方法を紹介します。
「骨盤のすぐ上の背骨の横の腰痛」の場合
今回は「背骨」のすぐ「右側」、高さは「骨盤」の「すぐ上」腰椎の4-5番ぐらいの所が痛む場合の「消痛ポイント」です。
消痛ポイントは、痛みと「同じ側」の腕(右腕)の「肘」にあります。
(痛い部位が左側の場合は左腕にあります)
消痛ポイントの位置
「右の腰」が痛い場合、
「右の肘」の少し下(手首側)に消痛ポイントがあります。
探し方
①まずは、右手の甲が自分に見えるようにして、肘を曲げます。
※前腕の骨は、親指側の「橈骨」と小指側の「尺骨」の2本がありますが、手首の回転で2本の骨がクロスするように動くことに注意します。
②小指の手掌側から肘の内側の方向かって、左の手で骨(尺骨)をなぞる様に肘の方に向かって辿っていきます。
③肘先の少し手前になると、これ以上動かせない窪みが見つかります。
④そこが「消痛ポイント」。
ポイントを押さえていきます
◎左手の指を「消痛ポイント」に垂直に押し込みます。
◎押したまま、手先の方向へ30回ほどリズミカルに動かします。【瀉法】
皮膚表面を動かすのでなく、深いところからごみを掻き出す様なイメージで動かします。
しっかりポイントに当たっていると、かなり痛く感じますので、ひとつの目安にしてください。
腰の痛みが軽くなるようでしたら、時間を置いて、また挑戦してみて下さいね。
腰の痛む部位が違うとツボも違います
いかがでしたか?
腰痛といっても痛みの位置が変わると、「消痛ポイント」の位置も変わります。
その他の消痛ポイントも、今後どんどんご紹介していきます。
お楽しみに。